繊細でありながらくっきりとした糸表現がすてきな「タティングレース」。
レース編みの中でも少し特殊なくっきりとした編み地が魅力です。
「タティングレース」とは?
タティングレースとは、舟形の専用の道具「シャトル」を使って編むレース編みのこと。
編んだ作品を指すこともあります。
▼シャトルと糸
▼タティングレースの作品
編み地の特徴
タティングレースはかぎ針編みや棒針編みなどの編み物と異なり、「編み」というより「結び」に近い技法です。
編んでいる途中で針を取り除いて糸端を引っ張ると、かぎ針編みや棒針編みでは編み地がほどけていきますが、タティングレースの場合はほどけません。
芯となる糸に別の糸が結びつけられたような構造になります(実際には、1本の糸で編んでいきます)。
シャトルの使い方
シャトルの中心にはミシンのボビンのような糸巻き部分がついています。この部分に事前に糸を巻き付けておき、巻き付けた部分を少しずつ解きながら編んでいきます。
左手で糸端に近い部分を持ち、右手にシャトルを持って左手で持った糸と一緒に編んでいきます。
糸の選び方
レース糸であれば、多くがタティングレースに使えます。
レース糸は太さに応じて番手が決まっています。数字が小さいほど太く、数字が大きくなるほど細くなります。
初めてタティングレースに挑戦する場合は、少し太めの20番程度が扱いやすいです(20番は#20とも表記されます)。
シャトルに巻ける糸の量は概ね決まっているので、あまり太すぎると巻ける長さが短くなってしまいます。作品のサイズやイメージに合わせて糸を選びましょう。
また、レース糸のメーカーであるオリムパス製絲さんからは、糸滑りがなめらな「タティングレース専用糸」が販売されています。
基本の編み方
輪になるように1周編む「リング」と、輪にせず弧を描くように編む「ブリッジ」の2種類が基本の編み方になります。
この2つは芯糸の持ち方が異なるだけで、基本の編み方は共通。
いずれも表目ひとつと裏目ひとつで、1目(ひとめ)となります。
表目と裏目の間の糸を少したるませて作る「ピコット」も、モチーフ同士をつないだり飾りにしたりする際によく使われます。
初心者向けの小さなアクセサリーやコースターなどを作るときには、リングとブリッジ、そしてピコットを使うことが多いです。
小さな作品からぜひ挑戦してみてください。
実際の編み方は、動画を参考にするのがおすすめ。
YouTubeなどで検索するとたくさん出てきます。編み物の道具や糸のメーカーさんのものは編み方ごとに丁寧に解説があってわかりやすいものが多いです。
動画であれば、手の動きや糸の引き具合、針の動かし方などもわかりやすく、とても参考になります。
道具・材料の準備
初めて編むときに必要なもの
・糸
・シャトル(角<ツノ>があるもの)
・はさみ
・木工用ボンド
・編み図(動画を参考にする場合などは不要)
▼シャトル(左:基本のシャトル、右:糸巻き部分が取り外せるシャトル)
いろいろな作品を作るときに便利なもの
・ビーズ(装飾用。キラキラと光を反射するイヤリングなどに)
・タティングレース用糸始末リキッド(糸の質感を損ないにくいです)
・タティングレース用かぎ針(モチーフ同士をつなぐときに使用。角がないタイプのシャトルを使うときは必要です)
お試しで編んでみたい方は、道具・材料を一通り揃えるときに100円均一などを活用するのも◎
毛糸もシャトルも安くで手に入るので、お試しにぴったりです。
タティングレースで作れるもの
小さなモチーフはピアスやリングなど、アクセサリーにぴったりです。
素材の糸が非常に軽いため、耳たぶをはさむイヤリングでも重さを感じにくく、とても軽やかです。
大きく編みつないだテーブルセンターやカフェカーテンなどの大作も素敵です。タティングレースの作品づくりに慣れ、同じモチーフを同じ調子で編めるようになってから挑戦するときれいに仕上がります。
▼タティングレースのネックレス
レシピ(編み図)の選び方
初めから複雑なものに挑戦してしまうと難しくてつまづいてしまうこともあるので、初心者の方はシンプルなものからはじめてみるのがおすすめです。コースターやイヤリングなどのアクセサリー用のモチーフなどが小さめで作りやすいです。
また、必要な道具もまとめてセットになっている「初心者向けキット」は、丁寧な解説がついているものも多いので、安心して始められます。
編むことに慣れてきたら、様々なWEBサイトで無料の編み図が多く公開されていますので、作りたいものや練習したい編み方に合わせて素敵な編み図を探してみてください。
繊細でありながらくっきりとした糸表現がすてきな「タティングレース」。
小さな作品から大きな作品まで、自分の好きな糸で作る楽しみをぜひ味わってみてください。