まをちゃクラフツ

手芸・工作の【基本のキ】から【ステップアップ】まで、経験を交えてしっかり解説。

棒針編みとは?初めてさん向け基礎知識

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セーターやブランケットなど、素敵な作品が作れる「棒針編み」。
シンプルな編み方から複雑で美しい編みあがりの模様編みまで、実に多様な作品を作ることができる編み方です。

棒針編みとは?

初めてさん向け基礎知識文字通り、棒のように真っ直ぐな編み針「棒針(ぼうばり)」を使って糸を編む技法の1種です。
糸や編み方にも左右されますが、編み地(あみじ)は伸縮性の高いものが多く、着心地が良いためセーターや靴下など体に身につけるものにもよく使われます。

▼棒針編みのネックウォーマー

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編み針の基本

棒針編みは、複数の編み針を使って編み進めていきます。
平面を折り返しながら編むとき(例えば四角いブランケット)は、2本使います。
輪にして編んでいくとき(例えば靴下)は、4本または5本セットの針を使い、針を順番に交換しながら編んでいきます。あるいは2本の針の後端同士がコシのある紐で繋がった「輪針」という針を使って編むこともできます。

▼5本棒針で作る、輪編みの靴下

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編み針のサイズ・形状

針のサイズ(太さ)は、糸の太さに合わせて選んでいきます。
糸玉に巻かれているラベルに針の推奨サイズがたいてい書かれているため、それを参考にします。
太い針で編むと糸同士に隙間が生まれやすいためゆるくなり、ざっくりとした仕上がりに。
反対に細い針で編むと糸同士の隙間が小さくなり、きつめの編み地に仕上がります。
セーターなど仕上がりサイズを見本通りにしたい場合は、「ゲージ」を取ってから編み始めます。

ゲージとは?

ポーチやマフラーであれば、仕上がりサイズが見本通りでなくても大きな問題はありませんが、セーターなどはサイズ調整も重要。
見本通りのサイズで編むために、「ゲージ」を取ります。

まず使用する予定の針・糸で、最も基本的な編み方のメリヤス編みという編み方で20cm角ほどの編み地を作ります。
そのうち中央付近の10cm角の縦横の目の数を数えます。
見本よりも目が少なければゆるいということなので針を細いものに変え、見本よりも目が多ければきつすぎるので太い針に変えます。
変更した針で再度ゲージを取り、見本通りのサイズになるように調整します。

基本の編み方

表編みと裏編み

表編み(おもてあみ)・・・1目編むと、「V」の字に見えるような編み方です。最も基本的な編み方の一つです。編み図の記号は「空白」で表されます。
裏編み(うらあみ)・・・自分が見ている側の裏側に表編みを作ることができる編み方です。1目編むと、「-」の字に見えるような編み方です。編み図の記号は「-」で表されます。

往復編みと輪編み

往復編み(おうふくあみ)・・・平面を端で折り返しながら編む方法です。
編み図は表側から見た記号で書かれているため、裏側から編むときは編み図が表編みなら裏編みを、裏編みなら表編みを編みます。はじめは少し複雑に感じますが、慣れれば意外と自然にできるようになります。
輪編み(わあみ)・・・編み地を輪にしてぐるぐると編み進める方法です。輪編みの場合はずっと表側から見て編み続けるため、編み図の通りに編んでいくことができます。
1段ごとの境目が往復編みよりわかりにくくなるため、段数マーカーというクリップを使って数段ごとに印をつけると編み間違いを防ぐことができます。

編み地の名前

メリヤス編み・・・表側から見たときに、表編みだけになるように編んだ編み方です。シンプルなセーターや靴下のような編み地に仕上がります。
かのこ編み・・・表編みと裏編みを1目ずつ編んでいきます。次の段は裏編みと表編みを繰り返すことで、市松模様のように表編みと裏編みが上下左右で交互に表れる編み方です。ぽこぽことした、かわいい編み地に仕上がります。
ゴム編み・・・ゴム編みの中でもよく使われるのは「2目ゴム編み」です。2目表編み・2目裏編みを繰り返すことで、伸縮性のとても高い編み地になります。靴下などのリブ部分によく使われています。
模様編み・・・表編みと裏編みを組み合わせ、さらに編み地を交差させるなどすることで、さまざまな立体感のある模様を作ることができます。
撚り合わせた紐のようなアラン模様がとても有名ですが、ほかにも実にさまざまな模様編みがあります。
模様編みはシンプルな糸で作ると、その美しさが際立ちます。
編み込み・・・いくつもの色の糸を組み合わせ、糸を交換しながら文字や絵柄などを表現することができます。フェアアイルニットなどが有名です。色数が多いとより複雑になりますが、色選び・柄選びでポップな作品からシックな作品まで、多彩なデザインのニットを作ることができます。

▼2目ゴム編みのネックウォーマー

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▼メリヤス編みの編み込みポーチ(オフホワイト、ペールブルー、オレンジの3色)

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道具・材料の準備

初めて編むときに必要なもの

・糸
・棒針(糸の太さに合ったもの)
・はさみ
・編み図

初めからあると便利なもの

・とじ針(作品の仕上げがきれい・自然になる)

初めて編むときの糸は、ふわふわしていない太めのものがおすすめ。太めのほうが目を拾いやすく、万一絡まってしまったときにもほどきやすいです。
またお試しで編んでみたい方は、100円均一などを活用するのも◎
毛糸もかぎ針も安くで手に入るので、お試しにぴったりです。

棒針編みで編めるもの

セーターやマフラー、ブランケット、靴下などは編み図も多く、人気です。
クッションカバーなど、あまり大きすぎない面積の作品が初めての方には作りやすいでしょう。
カーディガンやセーターは、前身頃(まえみごろ:胴体の前側の部分)、後ろ身頃(うしろみごろ:胴体の背中側の部分)、袖など、いくつものパーツを作ってからはぎ合わせます。いくつか練習作品を作り、編み方がある程度安定してから作るほうがきれいに仕上がります。また制作時間も長くなるので、初めて挑戦する前には小さな作品で練習しておくのがおすすめです。

レシピ(編み図)の選び方

初めから複雑なものに挑戦してしまうと難しくてつまづいてしまうこともあるので、初心者の方はシンプルなものからはじめてみるのがおすすめです。手のひらサイズのポーチやシンプルなスヌードなどが作りやすいです。
また、必要な道具もまとめてセットになっている「初心者向けキット」は、丁寧な解説がついているものも多いので、安心して始められます。
編むことに慣れてきたら、様々なWEBサイトで無料の編み図が多く公開されていますので、作りたいものや練習したい編み方に合わせて素敵な編み図を探してみてください。

 

選ぶ糸の質感や色でも、実にさまざまな表情を見せてくれる「棒針編み」。
小さな作品から大きな作品まで、自分の好きな糸で作る楽しみをぜひ味わってみてください。